この記事を読んでいるということは、海外の学会で発表をしてみようか悩んでいるものの英語力に自信がない大学院生ではないでしょうか?
自分の研究成果を世に広めるため、ドクターを目指しており実績を上げたい、大学院での成績を上げたいなど、様々な理由があるかと思います。筆者の場合は奨学金免除を目指して学会発表にも多くチャレンジし、実際に海外の学会にも出席した過去があります。それが功を期したのか実際に奨学金は全額免除となりました!
とは言え英語力に自信がないと、そもそも論文を英語で上手くリライトできるか、原稿を上手く読めるか、何より当日の質疑応答が上手くいくかなど、様々な懸念事項が頭に浮かぶかと思います。
ただ、英語での学会発表については事前の準備と心構えで乗り越えることが可能です!
今回は筆者の過去複数回に渡る英語での学会発表の経験を元に、事前の準備の方法と当日の心構えをお伝えしていきます!
適当な翻訳ツールは使わない
事前準備での一つ目の大切なポイントは翻訳ツールの選び方です。
研究内容をしっかりと英語で伝えるためには、適切な英単語の選び方が重要ですよね。その際、翻訳ツールを利用することを考えるかもしれませんが、どのツールを選ぶかは非常に重要です。
一般的な無料の翻訳ツールも多く存在しますが、学術的な内容や専門用語に関しては、その正確性に欠けることも。誤った翻訳や文脈に合わない言葉の選び方は、聴衆からの信頼を失う原因となり得ます。
そこでおすすめしたいのが、精度の高いdeeple翻訳です。deeple翻訳は他の翻訳ツールに比べて圧倒的に精度が高いです。ただ専門的で学術的な内容だときちんと翻訳しきれないことがありましたので、文脈や文法の確認におススメです。
また、筆者が学生のことにはありませんでしたが、今であればchatgptもおススメです。chatgptであれば専門的な内容も込みで翻訳を完遂できるポテンシャルは十分あるかと思います。ただしchatgptは対話型のAIエンジンで、良くも悪くも表現の幅が広いのが特徴です。学会発表用の論文であることや、前提知識の有無をチャットで擦り合わせをした後に翻訳をお願いするのがいいかと思います。
翻訳の際は、適当なものを選ぶのではなく、信頼性の高いツールを活用して、質の良い英語での発表を目指しましょう!
文章校正は絶対に外部に依頼
上述のように信頼性のある翻訳ツールを使えばある程度の精度の英文は書けるかと思います。ただ学会用の論文や原稿となるとある程度の精度だけではだめで、完璧な英文であることがマストです。そのためには第三者機関による文章校正が必要です。
余談ですが、日本語の論文であっても文章構成は行うべきです。日本語であれば「自分で書いたものは自分でチェックすればいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、自分の書いた文章を自分でチェックするというのは、意外と難しいもの。目が慣れてしまっている部分や、自分では気づかないような誤解を招く表現が見逃されがちです。
教授や研究員やドクターの先輩に頼る方法もあるかと思いますが、研究のプロであっても文章のプロではないかと思いますので、学会論文のような正確性が求められるものではその道のプロに依頼するのが最も確実です。
筆者が学生自体に使っていたのはエディテージです。「英文校正」「学術翻訳」「投稿支援・論文作成」と必要そうなサービスは全て取り揃っています。研究者向けのサービスと言うだけあって、その分野に精通している人をアサインしてくれるのが何より安心できます。
校正は研究内容を正確に伝えるための最後の仕上げとなりますので怠らないようにしましょう!
ポスター作製が必要なら早めに依頼
また、学会発表には、口頭発表だけでなく、ポスターセッションのパターンもあります。このポスター作製、侮ってはいけません。質の良いポスターは、視覚的に情報を伝える大切なツールとなります。ポスターの場合は掲載枠的に伝えいたいことだけに内容を絞るパターンが圧倒的に多いです。
「内容を絞る方であれば、最後の最後で適当にまとめればいいよね?」と、気を緩めのは絶対にNGです。まず要点を絞って内容をまとめるってめちゃくちゃ難しいです。学会でわざわざ発表するようなことなので「前提知識」「現状の課題」「解決策」とマストで載せるべきことが色々とあります。それを一枚の紙でまとめるとなるとかなりの文章力や図示力が必要となります。
また内容を上手くまとめられたとしても、ポスターを作成する上でのデザイン力が求められます。これについてはセンスもありますので、苦手な人は本当に苦手かと思います。
筆者の場合もかなりポスター作製で苦戦した記憶があります…特に初めて作るときなんかは想定していた時間を大幅にオーバーして、かなりギリギリの提出になったことを今でもよく覚えています。
またポスターは通常の印刷機で印刷可能なサイズではないので、専門業者への依頼が必要です。筆者の場合は学会ポスタードットコムを利用していました。
仕上がりが早かったというのもあるのですが、事前にポスターの仕上がり確認ができるのがありがたかったです!
当日の心得
ここからは筆者が実際に発表当日にどのようなモチベーションで臨んていたかや、何回かの英語発表を経験して思ったことを述べていきます!
メンタルトレーニングの一環と思って挑むべし
筆者とその同期達は学会発表に行くのではない、メンタルトレーニングをしに行くのであるという謎モチベーションをもってして当日を迎えました笑
恐らく皆様が一番恐れているのは英語での質疑応答かと思います。ただ質疑応答は課題が解決するまで永遠に続くのではなく、質疑応答セッションとして制限時間が設けられています。だいたい5分程かと思います。
どれだけ質問の意味が分からなくても、伝えたいことが上手く英語で伝えられずアタフタして恥ずかしい思いをしたとしてもその5分を耐え抜きさえすれば良いのです。
たったの5分と思えばどうにかなりそうな気がしてきませんか?
会場は分散されるので思ったより聴講者は少ない
もしまだ学会に参加したことがない場合「どれぐらいの人数の前で発表しなければならないんだろう…」と緊張しているかもしれませんが、多分あなたの想像しているより聴講者はずっと少ないです。
多くの学会では複数の部屋が設けられて同時に複数のセッションが行われるため、1つのセッションに集まる聴講者はあくまで学会参加者の一部です。
参加者全体の前で発表をするのは、冒頭か終わりのメインのセッションにて、権威ある先生や大手企業の研究員などだけです。
もちろん学会によって異なるとは思いますが、筆者が2年間で経験した限りではある程度の規模感の学会も込みで全てそうでした。大きい学会ほど人数も多い分、同時開催のセッションの数も増えるので、結局1セッションの参加人数はどこも似たり寄ったりです。
学生風情の発表に誰も期待していない
自分が参加側として聞いている時も、まあ同じ学生のクオリティならこんなもんかとそこまで期待して聞いていませんでした。逆に学生ですごい研究成果を発表していたら「あそこすげぇ」って感じです。しかも発表の段階で英語が拙いことはバレバレになるので、質疑応答なんて尚更だれも期待しないでしょう笑
筆者の発表での質疑応答の際も「ああこの子の英語力ではこれぐらいが限界か」という雰囲気で「OK!OK!」とほどほどで質疑応答は切り上げていただけました笑
期待されてると思うから人は緊張するものですので、肩の力を抜いて気楽に発表をしてみましょう!
教授との良好な関係を普段から築きましょう
とは言え、中には鋭い突っ込みを入れてくる人ももちろん存在します!しかもただでさえ教授レベルの知識量で質問なんかされたら答えきれるわけがないのに、しかも英語で質問をされます。このパターンは本当に詰みます笑
こんな時の最終手段は自分の担当の教授です!
筆者の同期の場合、質問の時点で教授がキャパオーバーを察したようで、全て教授が受け答えしていました。当の本人は質疑応答セッションを終始ニコニコしているだけで終えることとなりました笑
普段から教授との良好な関係を築いて、いざという時にサポートを受けれるようにしておきましょう。
また、不安であれば事前に教授にその旨を相談しておきましょう。教授としても学生の国際学会へのチャレンジは推奨したいはずなので、力になってくれるはずです。
当日までに少しでも喋れるような努力はかかさず
ここまで、筆者の経験談を元に当日の心得であったり意外とどうにかなることをお伝えさせていただきました。
しかし忘れてはいけないのは、参加するからには自分の言葉でしっかりと受け答えを完結させるのがあるべき姿です。例えそれが母国語でなくてもそれは同じです。
この記事を読んでいる段階ではまだ国際学会への参加を検討している段階のはず。まだ時間はあるかと思うので、当日までに少しでも英会話力を上げれるようにしましょう!
恐らく学会当日での質疑応答では、聞き取れさえすれば自分の研究のことを説明するのは比較的どうにかなるかと思います。問題は質問を聞き取れるかどうかですので、例えばDMM英会話だとネイティブ講師特化型プランがありますので、ネイティブと話すことで当日までに少しでも耳を慣らしましょう。
まとめ
本記事では、筆者の2年間での大学院生活の経験談を元にして、国際学会へ参加する際の心構えや意外とどうにかなることをご紹介させていただきました。
今思えば、国際学会への参加は研究職にでも就かない限り、社会人では体験できないことなので、本当に良い経験ができたと思ってます。
是非これを機に国際学会へのチャレンジをしてみましょう!
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